服を買取りしていて思う「大切な夏服を片付ける時のクリーニングは水洗い」

私どもではお買取りをさせていただいておりますので

毎日、上質な素材を使ったお洋服をたくさん拝見しております。

お迎えしたのに着る機会がなかった。ということで未着用のまま送っていただくものもたくさんありますが、多くはお使いになられたお品物です。

着用されていても、時間が経過していても、良い状態のお品物もあれば、着用回数は少ないであろうを思われるのにお取り扱いの仕方、保管状況でダメージとなってしまっているお品もあり、もったいないなぁ。と感じることが時折あります。保管される際に気を付けていただいていたらお買取り価格がもっと高くなっていたのに・・・と思うのです。

気に入ったものを末長く気持ち良い状態で着ることができるように。

もう使わないな・・・と思った時には価値を下げずにご売却できるように。

今回は夏が終わった時の夏服のしまいかたについて感じていることを書いてみます。

汚れは早めに対処する

よく聞きますのでどなたもご承知のことと思いますが、汚れは時間が経過すると落としにくくなり、繊維に付着してしまいます。それがシミです。汚れを落とすためにクリーニングシミ落としの溶剤を使い無理をすると生地に負担をかけてしまいます。付いた汚れはできるだけ早く処理することは一年中、シーズンにかかわらず鉄則です。口紅や油分の含んだ料理のとびはねは油性汚れのためのちに洗剤を使って落とさなくてはいないのですが、コーヒー、お茶、お醤油など水溶性の汚れの場合はすぐに水分を含んだハンカチやタオルでたたくように汚れを押し出して応急処置でほぼシミになることは防げます。

コラム ↓
シミになる前に!お出かけ先での応急処置方法

夏の汚れの特徴

夏服の汚れは主に脇、襟周り、ワンピースであれば内側の肩、背中にあります。

原因は汗です。

夏服は直接肌に触れる部分が多く汗や皮脂を吸収しています。汗や皮脂はケチャップやワインなどの汚れと違って付着したすぐ後ではわかりにくく、時間が経過しないと汚れが見えてきません。そこが厄介です。

お買い取りに送っていただくお品の中でもクリーニング済みですとコメント欄に書いてあり、確かにクリーニングの番号タグも付いているにもかかわらず、脇に汗のシミがある。
襟に黄ばみが出てきている。このような状態のお品物が時々見られます。

その原因は
・クリーニング終了してお受け取り時に出来上がりをチェックしていなかった
・出来上がりはきれいだったけど時間が経過して汚れが浮き出てきた
・ドライクリーニングだけで済ませている

このようなことが考えられます。
最後に記載した ドライクリーニングだけで済ませている。ここが夏服をきれいに保管する重要なポイントです。

えっ?これはダメなの? と思われたかたもいらっしゃるかと思います。秋冬のお洋服は地肌に触れることが少ないのでドライクリーニングだけでも問題ないことも多いのですが、夏服の汚れの原因である汗や皮脂は水溶性タンパク質の汚れですので
石油系のドライクリーニングでは落としきれません。汚れが残ったままになっているのです。汗や皮脂汚れを完全に落とすには水洗いが必要になってきます。

今年着なかったワンピースがありましたら、お時間のある時にチェックしてみて下さい。去年ドライクリーニングだけで済ませてあるものはもしかしたら、裏地に汗の汚れが現れてきているかもしれません。

水洗いできるの?ドライクリーニングでしょ?

上質な夏のお洋服に使われている素材は美しい光沢やドレープ、繊細なレース、オーガンジー…それらはシルク、レーヨン、キュプラ、トリアセテートから作られていてクリーニングの取り扱い表記はドライです。水洗いはしないように。となっていることがほとんどです。

クリーニング表記
↑ wにXは水洗いNGのサインです。

何からできている?

シルクはご存知の通り、蚕の繭。動物繊維です。

キュプラ、レーヨン、アセテート、トリアセテートはいづれもシルクを目指して作られた再生繊維、半合成繊維です。化学繊維に分類されますが原料のそもそもは植物。
ざっくりですがキュプラは綿花。レーヨン、アセテート、トリアセテートは木材パルプ。セルロースです。

キュプラの原料コットンシード

このような素材からつくられている場合、クリーニング表記はWに×
クリーニング屋さんは通常表記通りドライクリーニング処理をいたします。

そのため落としきれていなかったタンパク質の汚れは時間が経ちシミとなって現れてくるわけです。
白いものや色の薄いものにはいわゆる黄ばみとなってしまうことも少なくありません。

クリーニングに出したから安心。ではありません。きちんと落とせているかが大切です。
水洗いできない高級衣料の汗や皮脂汚れはどうしたらいいの?

夏の汚れはウェットクリーニング

汗や皮脂汚れを落とすためにはウエットクリーニングと言われているお水を使ったクリーニングが必要になってきます。クリーニングにはランドリー・ドライクリーニングがあります。ランドリーとはおうちで洗濯機を使って水と洗剤で行うもの。ドライクリーニングは水を使えないデリケートな素材向けに生地を痛めない超ソフトな溶剤と機械化された工程で、服にも作業をするかたにも負担の軽い方法として開発されています。高級素材は生地へのリスクの少ないこのドライクリーニングをおすすめしているわけです。

クリーニング表記の「Wに×がついたマーク」は水洗いは適していません~水洗いは絶対できません。まで幅広い意味があります。すべてが水洗いしたら製品がダメになってしまいますよ。ということではないのです。(なかにはダメ絶対!)という素材のものもあります。

ウエットクリーニングは専用の溶剤と水を使って汚れを落とします。リスクを理解した上で水を使って洗います。そのため素材の知識と経験、高い技術が必要となります。

ウエットクリーニングは技術の高いお店で。

高級衣料を専門的に行っているお店は多様な素材の知識と豊富な経験をお持ちです。
ブランドの特性もよくご存知で、色落ちする。伸縮する。気をつけるべきことから、できる。できない。を事前にハッキリと説明してくれるはずです。

また、ほとんどのお店で作業初めに採寸をして仕上がりの品と整合していますので、戻ってきたら縮んでいた。または伸びていた。などのトラブルがありません。作業後に縮んでしまった服を渡されて「この素材はこうなることがあるんですよねー」 なんてことが起こることは少ないはずです。

完璧に汚れを落とすためにはドライクリーニングで油性の汚れを落とした後に専用の溶剤でウェットクリーニングをし、水性の汗や皮脂汚れを落とす必要があります。

ドライクリーニングとは違いウェットクリーニングの後は全てにアイロンをかけなくてはいけません。形崩れを戻したり元の形を整えますので、その技術は良いクリーニング屋さんの必須条件です。

そのため料金も当然高額になります。

着るたびにウェットクリーニングすることは生地にも負担がかかりますので夏の間は生地に負担のかからないドライクリーニングで、シーズン終わりにはウェットクリーニングをして夏の汚れを完全に落として来年まで保管する方法が良いでしょう。

技術の高いクリーニング屋さんにお願いすると、汚れを落としてくれるだけでなく適切な処理のもと生地の劣化が少ないので、着ていても購入時に近い状態で気持ち良くお洋服を楽しむことができます。

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