「真珠といえばMIKIMOTO」と言うほど国内外で高い人気と知名度を誇るミキモトですが、一体なぜそんなに人気なのでしょうか?
この記事ではミキモトというブランドについてや、ミキモトのパールが他とどう違うのか徹底的に解説いたします。
パールアクセサリーが欲しいと思っている方はぜひ参考にしてくださいね。
ミキモトとはどんなブランド?
ミキモトとは
ミキモトはパールからスタートして今やパールだけでなくハイジュエリーも製作する日本のジュエリーブランドです。
高品質の真珠と洗練されたデザインは世界的にも高く評価されており、日本を代表するジュエラーのひとつです。世界で初めて真珠の養殖を成功させたのは、ミキモト(当時は御木本真珠店)の創業者である御木本幸吉氏です。それまではパールと言えば天然のものであり、1万個に数粒という奇跡的な割合で発見される極めて貴重なものでした。それを養殖し安定的に生産することができるようになったことは偉大な発明であると、かのトーマスエジソンも絶賛しています。そのパールを世界中に広め「高品質なパールといえば日本」と決定つけたのはミキモトの功績と言えます。
ミキモトではパールの生産からデザイン、アフターサービスまで全て自社で行い「光沢・巻き・形・サイズ・色」という厳しい基準をクリアしたものだけが「ミキモトパール」として認められ、他にはない高品質を実現しています。
自社で「真珠研究所」を有し真珠養殖に関する研究を今も進めており、最高峰の真珠ブランドでありながら今なおクオリティの追求に余念がなく、その証として皇室御用達のブランドとしても知られています。
日本のジュエラーとして唯一世界のジュエリーブランドが出店するエリアであるパリのヴァンドーム広場にて店舗を構えており、その技術や品質の高さは世界的にも認められています。またミキモトは真珠以外にもダイヤモンドをはじめとした貴石ジュエリーも手がけており、デザイン性、日本の繊細な技術力による「透かし彫り」「ミル打ち」などを駆使し、欧米に負けないジュエリーを完成させました。
冠婚葬祭で使えるシンプルなものから、最高クラスのパールやダイヤをを使ったラグジュアリーなハイジュエリー、シルバーを使ったカジュアルなものまで幅広い商品を展開しています。いずれも上品で流行に左右されないデザインが多く長く愛用することができます。
ミキモトの歴史
創業者である御木本幸吉が1893年に世界初の真珠の養殖を成功させ、1899年3月に御木本真珠店を銀座にて開業しました。
養殖を成功させた当時の御木本幸吉氏は若干35歳という若さで、その成功はまさに歴史的な快挙でした。養殖に成功したことで今までは高価で手が届かなかった真珠を安く提供できるようになり、世界的な真珠ブランドとして世の中に名を知らしめました。
実際にミキモトのパールアクセサリーは、当時のヨーロッパ社交界で絶大な人気を誇っていたそうです。がしかしながらそのためそれまでのパール仲介業者が受けたダメージは計り知れないものがあり、1921年にパリの宝石商が「ミキモトのパールは贋作である」と「パリ真珠裁判事件」を起こしたことで初めて困難に直面します。約3年にも及ぶ裁判の末、裁判所が下した判決は「ミキモトの全面勝訴」でした。
司法によってミキモトの養殖真珠が天然真珠と同じ価値であると認められたことで、結果的にミキモトのブランド価値がさらに上がるという結末を迎えました。
その後も戦争によって真珠養殖事業が禁止されるという事態に見舞われますが、「世界中の女性を真珠で飾る」という御木本氏の信念のもと無事に乗り越え復興も進みました。
1954年に創業者の御木本氏が亡くなり、1972年に社名を現在の「ミキモト」に変更しました。
トップが変わってからも創業者の「世界中の女性を真珠で飾る」という信念を掲げ、ダイヤモンドなど貴石の取り扱いなど事業を拡大していきました。
時代の移り変わりに合わせて事業や経営方針をその都度見直し軌道修正していくことで、今でもトップのシェアを誇るジュエラーとして君臨し続けています。
海外で評価されるワケ
ミキモトのパールが世界に評価されるようになったきっかけは、1893年にシカゴで開催されたコロンブス万博博覧会です。
養殖真珠で作った工芸品などを出品し、天然の真珠に勝るとも劣らないそのクオリティの高さに世界各国の宝石商が絶賛しました。
ミキモトは前身である「御木本真珠店」を開業してすぐに海外進出をしています。
御木本氏は真珠養殖はもちろん、ビジネスにおいても先見の明があったのでしょう。
戦争が始まる前に海外へ進出しておいたため後の事業拡大もスムーズでした。
また御木本氏は海外の進んだ技術と日本の伝統を融合させることによって、ミキモトらしいデザインを確立していきます。
1975年には故・エリザベス英女王が真珠島を訪れ、御木本真珠を使ったネックレスの加工作業を見学しました。真珠が特に好きだったというエリザベス女王は、日本国政府から送られたミキモトのパールを用いてガラードに作らせたと思われる4連チョーカーを愛用していました。現在は英国王室に引き継がれていてエリザベス女王陛下の国葬ではキャサリン妃が身につけていました。
近年ではレディ・ガガやマドンナ、アンジェリーナ・ジョリーといった誰もが認めるスターたちが好んで着用しています。
ミキモトのパールは他と何が違う?
「ミキモトのパールは他のものとどこが違うの?」と思う方もいるのではないでしょうか。どこが?ということよりもパールの評価基準である「光沢・巻き・形・サイズ・色、テリ」全ての面で基準をクリアしたものしかない」ということです。真珠の養殖をはじめた御木本幸吉のパールへ注いだ情熱、老舗のプライドが受け継がれていまるからと思います。
まず、他のパールに比べて圧倒的に真珠に傷が少ないです。
プロの鑑定士が1玉1玉じっくり見ても表面の傷が少なく、色やテリのばらつきもほとんどありません。
真珠のクオリティをチェックするに当たって、「巻き」と呼ばれる真珠層の厚みも調べます。
巻きが厚いほど高品質で耐久性も高くなります。
ミキモトパールは巻きがありしっかりと厚みのあるものばかりです。
巻きが厚い真珠は、薄い真珠層が何千と渦巻くことで光の反射によって作られる「干渉色」が生まれます。
この干渉色はピンク系やグリーン系に分かれ、巻きが厚いほど干渉色も濃くなります。
上質なアコヤ真珠であるほど、単なる乳白色ではなく角度によって様々な色味を楽しむことが可能です。
ミキモトパールはピンクとグリーンの干渉色がオーロラのように輝き、ずっと見ていても全く飽きることがありません。
傷は少ないが巻きは薄い、巻きは厚いが傷がある、という真珠はそこそこで見かけることができます。
ですが傷が少なく巻きもしっかりしているパールはかなり希少です。
ミキモトパールはクオリティにバラつきがなく、アクセサリーという域を超えてどれも工芸品のような美しさを誇っているため高い人気に繋がっているのでしょう。
ミキモトのジュエリーは自社で養殖から加工まで全て行っているため品質管理に余念がなく、厳格な基準をクリアした真珠だけが市場に出回ることを許されます。
他では真似できない真珠への強いこだわりと思いが、真珠のクオリティからも伝わってきますね。
ミキモトはなぜ高いのか
冠婚葬祭で使える1連ネックレスは一般的なものは長さは42センチくらいですがパールの粒の大きさによって印象も大きく変わってきます。お好みもありますが、体格や年齢によってバランスのよい大きさがあります。また普段から使いたいということであれば小ぶりなものを選択するのもよいかと思います。パールのネックレスのお値段はパールの評価基準である「光沢・巻き・形・サイズ・色、テリ」によって決まります。ダイヤモンドと同様に大きさだけではいカラーやクオリティも大きなウエイトになってきます。直径0.75ミリ~直径0.8ミリ前後が日本人には好まれるサイズでミキモトの中でも600,000円~クオリティの高い「ミキモトプレミアム」シリーズでは、120万円を超えるものまであります。
あまりジュエリーや真珠に詳しくないと、「こんなに高いものなの?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、ミキモトブランドでなくともアコヤ真珠はそもそも高価です。淡水パールや貝パールとの違いを理解していないと一見すると同じパールと思ってしまうかもしれません。
また、ミキモトのパールネックレスは「連相(れんそう)」の美しさもトップクラスです。「連相」とはネックレスに使われている真珠の揃い具合や、並び方のことをいいます。
ひとつの母貝から生まれるパールはそれぞれ大きさ、色、光沢などが違います。そのため光沢や巻き、色やサイズなどあらゆる観点から真珠をチェックしてネックレスを組んでいきます。たくさんの中から選んで連をつくる職人の磨かれた目でバランスを整えながら何度も組み直すことで連相の美しいネックレスが完成します。高品質な真珠と、職人の高い技術力が合わさることで最高峰のパールネックレスが作られています。高価格にも納得ではないでしょうか。
ミキモトとタサキは何が違う?
日本のパールジュエリーといえば「ミキモト」、そして「タサキ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?ミキモトは鳥羽で真珠養殖に成功したのが1893年、タサキはその40年後長崎で真珠養殖をスタートします。
絶対王者のミキモトに対して近年大健闘をしている「タサキ」この2つのブランドは一体何が違うのでしょうか。
「伝統」のミキモト、「革新」のタサキ
前述の通り、ミキモトは世界初の真珠養殖に成功したパイオニアです。「日本=真珠」というイメージを世界に広めた功績は大きく、その確かな品質は世界中で愛されるほど。ミキモトのデザインは正統派でクラシックなものが多く、何代にも渡って受け継いで行けるようなタイムレスな魅力が特徴です。
一方のタサキはファンドからの支援で再生され2009年より社名を「田崎真珠」から「タサキ」に変更し、タクーン・パニクガルをクリエイティブ・ディレクターに迎え新たなブランド戦略を行いました。新しくなったタサキは革新的なデザインを次々に発表し、普段使いにパール、複数ほしくなるパールのジュエリーを戦略にアイコンジュエリーである「バランス」は爆発的なヒットとなりました。タサキも真珠作りから選別、加工、デザインまで全て自社で行っています。市場の評価としては上品でクラシカルな魅力のあるミキモトと、個性的で斬新なデザインがクールなタサキといわれています。
高い年齢層のかたにはブランド力で圧倒的にミキモト支持が高く、デザイン性を重視する若い世代や革新的なかたたちにはタサキが支持されているようです。
ミキモトを安く買う方法はある?
アウトレットはある?
「せっかくなら少しでも安くミキモトが欲しい……アウトレットはないのかな?」と思う方もいるのではないでしょうか?結論から言うと、タサキは複数店舗ありますがミキモトにアウトレットはありません。
ミキモト真珠島で安く買える?
亡くなられたエリザベス女王陛下も訪れた三重県にあるミキモト真珠島ではデパートにある「ミキモト」と「ミキモト真珠島」と言うここでしか買えないブランドの商品のどちらも購入できます。
「ミキモト真珠島」の商品は真珠をその場で加工して販売しているため、お土産品的な安価なものからきちんとしたものも揃えておりますが直営店舗の「ミキモト」のものよりもお値段は安い設定になっています。同じミキモトですが別ブランドになりますので、当然デザインなども異なります。
「質の良い真珠ならミキモトブランドには特にこだわらない」という方にはおすすめです。気を付けていただきたのがミキモト製品には貝殻のマークにMの刻印が付いています。またネックレスに「M」チャームがついているものもあります。ですが、ミキモト真珠島の商品には刻印がありません。ケースにはその名前が書かれていますが、そのケースから取り出すとどこの商品かわかるものが付いていません。
真珠島では真珠の作り方の解説や海女さんのショーなども行われているので、お買い物の予定がなくても十分楽しめる場所ですよ。
まとめ
日本を代表するジュエラーであるミキモトは、伝統を守りつつ時代の流れに合わせたものづくりで幅広い世代から愛されるブランドです。
真珠事業の先駆者としての誇りをかけて作りだされる品物たちは、まるで工芸品のような圧巻の美しさです。
高品質で長く愛用できるものばかりなので、「自分への投資」としての購入もおすすめですよ。
同じネックレスでも、真珠は1玉1玉色や輝きが異なります。
購入の際はいくつか見せてもらったり、何店舗か回ってみるなどお気に入りの真珠が見つかるまで探すことをおすすめします。
ぜひミキモトパールを身につけて、上品な輝きを自分のものにしてくださいね。
LEONARDが、東京・表参道にフラッグシップストア「レオナール表参道店」をオープン