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LEONARDが、東京・表参道にフラッグシップストア「レオナール表参道店」をオープン

「レオナール(LEONARD)」が、東京・表参道にフラッグシップストア「レオナール表参道店」
を2023年10月20日にオープンしました。
銀座店が閉店してから待望の路面店です。

2022年の後半からレオナールの動きが顕著になっています。これまで(勝手な一般の感想です)「レオナール=個性の強いおばさん」というイメージをなかなか払拭できずにいましたが、今回は2023年新店舗の出店、2024年の人気が高くなっている経過と理由を解説してみます。

(コラム)レオナールを着るかたの年代層は?似合う芸能人と着ている人のイメージ
↑ レオナールがどうしておばさんのイメージになってしまったのか?を考察しました

待望の路面店 フラッグシップ「表参道店」

店舗面積は約220平方メートルで、2022年に同地に出店したマックスマーラが400平方メートル、ティファニーが600平方メートルで他のラグジュアリーブランドに比べると決して広いとは言えませんが、VIP向けのプライベートルームも備え、「LEONARD PARIS」「LEONAFRD FASHION」「LEONARD SPORT」のフルラインを展開しています。

LEONARD SPORTラインも

特に国内の各店舗で取り扱いがなくなっていた「LEONARD SPORT」はECサイトのみでの販売でしたが、これからは唯一ここ表参道店で試着して購入できることになります。

出店の場所を銀座ではなくなぜ表参道を選んだのか

今都内の富裕層ショッピングエリアは銀座、六本木、新宿、青山、表参道で、レオナール顧客層を考えると銀座が適当だったのではないかと思うのですが、既存店舗のほとんどがデパート内にあり、銀座エリアには日本橋三越、日本橋高島屋、銀座三越に既に店舗がありますので、空白である青山、表参道エリアを出店の場所としたのは今後若い世代での顧客獲得のためにも理にかなっていると言えます。

表参道店限定のアイテムも発売

左から ワンピース176,000円、187,000円
カットソー38,500円、スカーフ19,800円、スニーカー77,000円 も発売されています

2024年4月表参道限定ワンピース3型発売 それぞれ198,000円

コロナ過でのレオナール

2021年軽井沢のアウトレット店舗が閉店し、コロナ禍もあって採算の悪い地方のデパート店や多店舗を有していたエリアでの統廃合で大量に店舗を閉店しました。都内だけでも25店舗あったものが15店舗に縮小。実際に親会社である三共生興(注)の決算を見ると 

2021年3月期の連結決算で売上17,167百万円 前年比-26.5%
2022年3月期の連結決算で売上16,914百万円 前年比- 1.5%

アパレル業界にとってコロナの影響を大きく受けた2021年、2022年はレオナールにとっても忍耐であったようです。

しかしながらこれまで行ってこなかったEC販売を開始して、ポジティブに捉えればデパート頼りであった販売方法をこれからはEC販売に力を注いでいくいいタイミングであったのかもしれません。

注)三共生興はレオナールの販売を行う三共生興ファッションサービス株式会社の親会社

三共生興がLEONARD PARISを子会社化

コロナの終息もはっきりと見えない2022年6月、本家LEONARD PARIS(企業名LEONARD の全ての株式を日本の代理店である三共生興が取得し子会社化するということが起きました。LEONARD PARISは日本でのライセンスビジネス以外での成長が滞っており、中国出身の若手デザイナー、イーキン・イン(Yiqing Yin)を起用し、アジアでの販路の拡大を模索していました。しかしながら中国での出店が芳しくない結果となり、コロナ禍もあって立て直しは厳しいものでした。

LEONARD PARISを運営するフランスのLEONARD FASHION SASの決算は
19年12月期が売上高1561万ユーロ、営業利益141万ユーロ
21年12月期は売上高853万ユーロ、営業損益27万ユーロの赤字となっていました

この苦境を救ったのが代理店であった三共生興です。全株式を取得してブランド本体を買収する。それは友好的に行われたもので稀に存在する本家を救う事象でした。取得額は非公開ですが貸借対照表の償却資産の増加分から推測すると決して高い買い物ではなかったと解説しているアナリストのかたがいました。

これまで日本・台湾においてのライセンス品の販売、本家LEONARD製品の代理販売権を有しておりましたが、この買収により少し粗暴な表現ですがこれまでの権利関係の制限が撤廃されて世界全域でどこでも三共生興で販売することができるようになるわけです。販売の面だけでなくレオナールのこれまでの歴史、5000点を超えるアーカイブデザイン、ヨーロッパでのサプライチェーンなどを資産と考えると使いかたによっては計り知れないものがあるはずです。

2024年 レオナールの人気が上昇

コロナ禍がようやく過ぎた2023年あたりから中古市場でLEONARDの動きがよくなってきています。アパレル業界全体で回復してきていますので、レオナールに限ったことではありませんが、中古市場での活発な動きはこれまでになかった新しい需要がどこかで生まれてきていることを感じます。
新店舗の表参道店をはじめとした都内の百貨店店舗での販売も好調な様子です。

アジアでの広報が結実

今売り上げを押し上げているのが海外需要です。これまでに台湾、香港、韓国で本国LEONARDPARISの展開をサポートしてきていましたが、その成果が出てきています。2023年に香港のハーバーシティのオーシャンセンターに新店舗を出店し、既存の台湾店ともに順調に推移しています。日本国内での売り上げも入国制限緩和時期から日本への入国者のお買いもの需要が円安の後押しもあり都内店舗では60%を超えているということです。

アジア人の好みを知っている日本発のLEONARD

現在、台湾、香港、タイ、インドネシアの方たちに支持されているのは、ヨーロッパブランドでありながら、アジア人の好みを熟知してアレンジされた三共生興が作り出した LEONARD FASHIONとLEONARDSPORTSで、これからどのように派生していくか注目していきたいところです

サブライセンスで商品展開が拡大されると予想

三共生興はレオナールにさきがけて1991年イギリスブランドのDAKSのブランドホルダーになっています。レディースウエア部門だけを自社で販売し、メンズ、ゴルフウエア、傘、寝具、アクセサリーなど20以上に細分化してサブライセンスしています。この方法であれば急速にアイテム数の拡大とブランド認知度を高めることができ、売上の安定も図れます。ブランドホルダーとなったレオナールもこの方法を使っていくのではないかと予想しています。

新生ファーストラインのLEONARD PARIS

ファーストラインのLEONARD PARISも2023SSコレクションより新しい体制で行われています。2020年から赤字が続いていた決算も三共生興による体制の見直しで2023年12月期から黒字に転換し、創業家から託されたLEONARDをどのように拡大させていくのか楽しみであります。

公式サイト Leonard Paris | Official WebSite


まとめ

実際に表参道店を訪ねた人の話によると、大通りから入った場所にもかかわらず多くの外国人で混雑しているとのこと。パリから日本にやってきたレオナールは日本から海外へ大きく前進しています。パリ本家のレオナールも日本資本となり世界に向けて更に躍進していくと思います。
コロナ禍に本国レオナールを買収したニュースを聞いた時は、重い荷物を背負わされたかのように見ていたのですが、調べてみたら三共生興には明るい情報しかなく盤石な経営状況から私は積み立てNISAで企業コード8018を購入しようと思います。

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