近年、感度の高いファッショニスタの注目を集めているブランドTHE ROW(ザ ロウ)。
ラグジュアリーブランドに近い価格帯と洗練されたアイテム展開で、特に人気のバッグは気になっている方も多いはず。
今回はそんなTHE ROWについて詳しくご紹介します。
目次
THE ROWの歴史
THE ROWは2006年にアメリカのロサンゼルスで,、双子のオルセン姉妹(姉:アシュレー・フラー・オルセンと妹:メアリー=ケイト・オルセン/1986年6月13日生まれ)によって立ち上げられたブランドです。
2011年秋冬コレクションではニューヨークファッションウィークでランウェイデビューを果たし、THE ROWの人気は世界的なものに。
また、2018年、CELINE(セリーヌ)からデザイナーのフィービーファイロが去ったことにより巻き起こった“フィービーロス”では、着実にミニマルラグジュアリーを確立するTHE ROWがJIL SANDER(ジルサンダー)などと並び「ポストフィービー」として注目されました。
現在は拠点をニューヨークへ移し、最高品質の素材で長く愛される逸品を作り続けています。
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THE ROWの特徴
THE ROWの特徴は、どのアイテムにも共通したシンプルかつ完璧な美しさと上質な素材です。
シンプルかつ洗練されたデザイン
上質な素材選びから成る着心地はもちろん、綿密に計算して作られたオーダーメイドかのようなフィット感とミニマルなデザインが最大の魅力です。
ここからわかるように、THE ROWが追求するのは、美しく、上質。そしてすべての人が「自分のためのもの」と感じるような1枚。
ロンドンのビスポークテーラーが並ぶストリートSavile Row(サヴィル ロウ)に敬意を表し付けられたブランド名の由来も、ここにあるのでしょうね。
クオリティを絶対的に信頼できるのはブランドとして大きな強みです…が、品質にこだわるが故かびっくりするようなお値段のアイテムもしばしば見受けられます(笑)。
こだわりの上質な素材
THE ROWのほとんどのアイテムはアメリカ製ですが、革製品に関しては職人の多いイタリアで作られています。
THE ROWのレザーアイテムは、希少性が高く表面の美しさを楽しめるカーフスキンが多く使われていますが、ほかにもサドルレザーやナッパレザー、ヌバックレザーなど多彩な種類を使用しています。
また、バッグの革製の内張や革留め具、摩擦で服を傷めない加工など、レザーの仕様や加工方法にもTHE ROWならではのこだわりが詰まっています。
デザイナーのオルセン姉妹とは
画像:VOGUE JAPNより引用
アシュレー・フラー・オルセン(姉)とメアリー=ケイト・オルセン(妹)によって立ち上げられたブランドTHE ROW。
人気ラグジュアリーブランドとしての地位を最速で確固たるものにした彼女たちは、一体どのような人物なのでしょうか?
女優としてのオルセン姉妹
オルセン姉妹は生後約8ヶ月の時にアメリカのコメディードラマ「Full House(フルハウス)」にて子役デビューを果たします。タナ―家の末娘 ミシェル役を演じていました。
当時のアメリカの労働法では、子どもが出演する場合20分ごとの休憩が必要だったため、姉妹は交互にひとつの約を演じたのです。
日本でも長年放送されていた人気番組なので、きっとアラサー・アラフォー世代の方は懐かしさを感じる方も多いでしょう。
ちなみに、2人は一卵性双生児ではありません。大人になってからの彼女たちをみればうなずけますが、子役をやっていた当時は本当にそっくりでしたよね~。
画像:VOGUE JAPNより引用
「フルハウス」が終了してからも「It Takes Two(邦題:ひとりっ娘2/ひとりっこのじじょう)」や「Two of a kind(邦題:ふたりはふたご)」、「New York Minute(ニューヨークミニット)」など多くの作品に出演し子役としてキャリアを積んでいきます。
姉妹は女優としてだけでなく、オンオフともにファッションも「お揃いが可愛い!」と話題になり、ファッショニスタとしても注目されるようになります。
今も昔も、みんな大好き双子コーデですよ。なんたってキュートさ2倍ですから。
サブリナパンツやチョーカーネックレスなどの火付け役はオルセン姉妹で、親受けの良さも、人気への影響が大きかったといわれています。「うちの子にも真似させたい!」という親御さんが多かったのでしょうね。
その後、姉のアシュレーは「ニューヨークミニット」への出演を最後に女優を引退。妹のメアリー=ケイトは2012年まで単独で女優業を続けていましたが、デザイナーとしての仕事に集中するため引退しています。
THE ROWを立ち上げるまで
2人は子役だった12歳の頃に「mary-kateandashley(メアリーケイトアンドアシュレー)」というブランドを立ち上げ、洋服や化粧品、アクセサリー等を取り扱っていましたが、こちらは2009年にブランドを終了させています。
2007年に「THE ROW」を立ち上げ、その後も「Elizabeth&James(エリザベス&ジェームズ)」、前述の「mary-kateandashley」の後継ブランドとなる「Olsenboye(オルセンボーイ)」、Tシャツ専売ブランドの「StyleMint(スタイルミント)」など多数のブランドを立ち上げ、2012年にはアメリカの経済誌「フォーブス」にて「30歳未満で最も影響力が大きいファッション・リーダー30人」に選出されるなど、ファッションデザイナーとして大きく成功を納めていきます。
彼女たちのTHE ROWへの想い
2005年にチャリティーの一環としてTシャツを作るプロジェクトを立ち上げ、「本当に自分たちが着たい、自分たちのための完璧なTシャツ」作りを始めた姉妹。
完璧なTシャツとは上質でいて無駄がなく、生地やフィット感にも一切妥協のないものです。
無駄のないデザインだからこそ完璧を追求することは難しく、1ミリ単位で何度も修正や細かなフィッティングを重ねて着心地やフィット感の違いを分析。大げさでなく、全ての体型や年齢の女性でテストを行ったといいます。
そうして1年半という時間をかけて完成したTシャツは、その後の「THE ROW」というブランドの方向性をも決定づけるものとなりました。
画像:THE ROWより引用
ブランドコンセプトは彼女たちの人柄から
THE ROWは「思慮深さと妥協の無い品質に基づいたシンプルさが持つ強さ」を探求することをコンセプトとして掲げています。
ルーツは彼女たちが「慎ましくあれ」と育てられたから。
幼少期から華々しい芸能界で活躍し、いわゆる“セレブ”のなかでもスキャンダルが一切ないのも、謙虚で上品にと教え育ててきたご両親の影響が強いのでしょう、THE ROWのアイテムたちの嫌味の無いミニマルな様式美は控えめな彼女たちの人柄をよく表しています。
女優を引退した後は表舞台に現れることも少ない2人ですが、THE ROWをスタートさせた後のインタビューで、「自分たちを(ブランドの)前面には出したくなかったし、私たちがつくっていることを知ってもらわなくてもいいとすら思っていた」と語っています。
「あくまで主役は自分たちではなく、THE ROWの製品だから」これが控えめな、彼女たちの美学です。
姉妹の「流行を追わず、妥協なき姿勢で完璧を追い求める芯のある女性像」はそのままTHE ROWのブランドコンセプトに反映されていることがわかります。
人気アイテム
数あるTHE ROWの名品から特に人気のアイテムをいくつか紹介します。
Margaux(マルゴー)
画像:THE ROWより引用
THE ROWアイテムの中でも、特に入手困難と言われるのがMargaux(マルゴー)です。
2018年に誕生したブランドのアイコン的な存在でもあるマルゴーは、トレンチコートから着想を得て作られたバッグです。台形のシルエットにサイドパネルと実際にトレンチコートで使用するトグルクロージャー、曲線的なシルエットが特徴的。
Margauxは1つのバッグをイタリアの職人2人が4日間全工程を手作業で完成させます。
しっとりと手に吸い付くような上質なレザーと最上級のクラフツマンシップ、このミニマルな機能美を併せ持つバッグは、まさに名品。
そのタイムレスな魅力から世界中のセレブや芸能人たちからも愛されており、THE ROWというブランドの知名度を押し上げた存在でもあります。
サイズは17(約43×30×25cm)、15(約38×28×23cm)、10(約25×18×19cm)などのサイズ展開あり、お仕事バッグとしても使いやすい15が特に人気。
Half Moon(ハーフムーン)
画像:THE ROWより引用
名前の通り「月」を連想させるHalf Moon。曲線的なシルエットが印象的なワンショルダーのバッグ。
人間工学に基づき肩にかけやすいよう設計されており、そのフィット感と美しいシルエットが奥の女性に支持されています。
THE ROWらしい無駄のないミニマルなデザイン、大げさに主張することの無いエンボス加工の小さなロゴ、必要最低限のもので出かけることが主流になった現代において、ベストな選択といえる逸品です。
また、THE ROWのバッグ(全体)はミニマルの最大価値、時代の超越にあると考えられ、自分自身への投資としてすごーくおすすめのアイテムです。
N/S Park Tote(パークトート)
画像:THE ROWより引用
ザ・ミニマルトートバッグがN/S Park Tote。
フラットなハンドルの縦型シルエットで、あえてポケットなども付けず、縫い目が目立たないようにミニマルを追求したデザインです。
底マチがほぼ正方形で、見た目よりかなり収納力のあるアイテムです。
サイズはラージ(約38×43×20cm)、ミディアム(約33×28×15cm)、スモール(約25×22×12cm)の3種類。グレイン仕上げのカーフスキンやヌバックなどレザーの種類もいくつか展開されていて、カジュアルシーンに重宝する秀作。
海外セレブはHalf MoonかN/S Park Toteのどちらかを所有しているといわれるほどのIt Bag!
Zipped Boot I(フロントジップブーツ)
画像:THE ROWより引用
存在感のあるフロントジッパー、チャンキーなシルエットのショートブーツ。
ブーツの着脱しにくいイメージを払拭する実用性と安定感のある厚めのクレープソールが特徴的です。
2019年秋冬コレクションにて発表されたこのブーツは、昨今のフロントジップブーツブームの火付け役。このブーツの人気を受け、翌年のコレクションでは様々なブランドからもフロントジップのブーツが発売されました。
人気の理由
THE ROWのアイテムは高価格帯でありながら、一部のアイテムは入手困難になるほどの人気です。
海外セレブをはじめ日本の芸能界でも愛用者は多く、「憧れのブランド」として常に名前が上がるTHE ROW。この人気の理由はどこにあるのでしょうか?
唯一無二のバランス感覚
THE ROWのアイテムデザインには奇抜なものや、あからさまな特徴はありません。
人気アイテムの箇所で書いていますが、バッグのブランドロゴすら、小さく、しかも薄れていくようにプリントされています。これは「ロゴが消えても価値は変わらない」とのデザイナーの想いから。
各アイテムの確かな品質、完璧を目指したフィッティング、いつでも美しく着られる実用性。
3拍子揃った唯一無二のバランス感覚を持つファッションブランドあり、本質的なクオリティや素材、フィット感にこだわるストイックな姿勢が多くの女性に支持されています。
SDGsや現代人の思想とのマッチング
2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の推進によって、「無駄をなくして生活を豊かにしよう」という社会全体の動きが加速する現代。
アパレル業界も(特にファストファッション界隈で)大量生産・大量消費、廃棄物による環境汚染という大きな問題を抱え、この事実に対して危機感を抱く消費者も少なくありません。
THE ROWの「思慮深さと妥協の無い品質に基づいたシンプルさが持つ強さ」を探求するというコンセプトは、「無駄なものをなくし、生活をシンプルかつ豊かなものにしたい」という現代人の考え方にとてもマッチしています。
THE ROWのものづくりに対する姿勢が、時代の流れとマッチングしていることも、ブランドが愛され人気を誇る理由ではないでしょうか。
THE ROWはどこで買える?
↑のほか、・新宿伊勢丹店・GINZA SIX店・銀座三越店・日本橋タカシマヤS・C本館・うめだ阪急・名古屋栄三越店などの国内直営店をはじめ、ロンハーマンやエストネーション、バーニーズニューヨークなどのセレクトショップにて取り扱いがあります。
まとめ
THE ROWは最高級のファブリックと完璧なフィット感、究極のミニマルデザインで時代を超越したブランドとしての地位を確固たるものにしました。
気になった方は、ぜひ実際にTHE ROWの妥協なき製品に触れてみてください。
ちなみに、人気のマルゴーは直営店でも「入荷後 即完売!」なんてこともざらなので、巡り合えたらそれは“運命”かもしれませんよ!
画像:VERYWEBより引用
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