最近話題の「PATOU(パトゥ)」というブランド、ご存知でしょうか?
パリ発のガーリーでモードなファッションブランドで、ファッショニスタ達から注目を集めています。この記事ではそんなPATOUについて深掘りしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
PATOUの歴史
PATOUの歴史は古く、1919年にジャン・パトゥがメゾン「Jean Patou」を立ち上げたことからスタートします。ジャン・パトゥは女性用のテニスウェアやスイムウェアなどを提案し、ファッションがより着心地の良いものとなるような活動をしました。
フラッパー・ルックと呼ばれる、赤い口紅にボブヘア、袖のないショートドレスといったスタイルが話題となりました。それまでの女性の服装はコルセットで腰を細く、バストを強調しつつロングドレスといったかなり着用にも苦痛を伴うものでしたが、娼婦スタイルと名付けられたフラッパー・ルックはルーズであえてバストや腰は協調せず、キャミソールやストレートなドレス、スカート丈もそれまでのものに比べて短いのが特徴です。
1929年アメリカから端を発して世界中を襲った世界恐慌で売り上げが激減したものの、1930年に発表し大人気となったフレグランス「JOY(ジョイ)」はメゾンを支えることになります。(この香水「JOY」は今でも高い人気を誇っています!)
このJOYの香りはフローラル系でトップノートにリアルローズ、ミドルノートにリアルジャスミン、ラストノートはムスクとなるそうで、本物よりもリアルなフローラルの香りということです。
幻の理想の花?ジャンパトゥジョイ 芸術的な名香を味わう (kosuijoho.com)
しかし1987年にブランドはクローズされてしまいます。その後2001年にP&Gに、2010年にはイギリスのパフュームメーカーDESIGNER PARFUMSにと経営権が移っていきます。2018年にLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィングループに買収され再び表舞台に戻ってきました。ブランド名をデザイナーの名前だった「Jean Patou」から「PATOU」に変更しています。
「JOY」と聞いてあれっ?と思ったかた。
天然香料を多量に使い世界一原価の高いとまで言われたこのJean PatouのJOYは香り好きの方たちから高い評価を得ていました。ブランドがDESIGNER PARFUMSの手に渡ったのちもこのJOYは引き続き作られていました。ところが2018年9月LVNHに買収されるとPATOUではJOYを作らずグループ傘下のChristian Diorから同名の「JOY」というフレグランスを発売します。 あーー そうそうディオールにもあったわ。と思ったかたはコスメ通です。
LVMHは何をしたかったのでしょうか。顰蹙を買うことになってしまいます。(当然でしょう……JOYといえばパトゥと思われていたのですから)香りの構成もローズからジャスミンでムスクでフィニッシュとジャンパトゥのJOYを踏襲していました。名前のどこにもジャンパトゥはありません。「JOY BY DIOR」となっていました。20年ぶりのディオール新作と期待されたのですが、非難のもとでひっそりと廃盤になってしまいます。LVMHではPatouの洋服部門に注力するとのことでフレグランスのJOYを今のところ手がけていません。DESIGNER PARFUMSで販売されたものが市場からなくなりますと終了となります。 ただこんなに売れた(CHANEL No.5に継ぐ販売数とのうわさもあります)フレグランスをLVMHが放っておくはずがないでしょう。Diorで味噌をつけてしまったのでほとぼりが冷めるのを待っているはずです。JOYの栄光はJean Patouのものですが、市場のブランド知名度で圧倒的な強みを持つDiorです。さてどちらからJOYが発売されるのか……
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2020年春夏コレクションよりアーティスティック・ディレクターに「ニナ・リッチ」や「カルヴェン」で活躍していたデザイナーのギョーム・アンリでスタートしました。これからLVMHの販売戦略の見せどころになります。
ギョーム・アンリとは?
ギョーム・アンリはフランスのファッションデザイナーです。
1978年に生まれ、2000年にフランス北部トロワの美術学校を卒業。その後パリのエコール・デュペレとIFMでファッションを学び、「ジバンシイ」「ポール・カ」といった一流メゾンにて経験を積んだのち、2018年からはPATOUにてアーティスティック・ディレクターとして参入。
「人の心に響いて歴史を伝える。ファッションは社会や世界の動き・変化と常に繋がっている」と考える彼。PATOUが扱う服は着る人の魅力を引き立てるものでありながらも、毎日の生活に欠かせないニーズに応えるものでなければならない、と語ります。
より自分らしさを表現して欲しい、という思いからPATOUではシルエットやボリュームを調節できるアイテムが多数あり、彼の思い入れの強さが窺えるものとなっています。
PATOUの魅力
PATOU公式サイトより
歴史あるメゾンの刷新ということで注目を集めるPATOU。
ファッション雑誌やSNSなどでもそのブランド名をたびたび見かけるようになりました。
日本の芸能人でも紗栄子さんや新木優子さんなど、今をときめく方達から愛されているようです。
その魅力はどんなところにあるのでしょうか?
遊び心と作り込まれたシルエット
PATOUのコレクションは、パリジェンヌのワードローブをそのまま持ってきたかのような、シンプルな中にもひと手間を感じさせるこだわり抜かれたアイテムばかりです。
ディレクターであるギョーム・アンリはフォルムや丈の長さに最もこだわっているとのこと。
シンプルなシャツでも完璧に計算されたシルエットで、着るだけで雰囲気ある女性になれます。一枚で完成するそのデザイン性は唯一無二のものです。
モードなのに尖りすぎない
細部まで完璧におしゃれなのに、普段使いしても違和感ない絶妙なバランス感覚もPATOUの魅力のひとつ。モードだけど奇抜なわけではなく、ガーリーなのに甘すぎない。取り入れるとコーディネートの格がワンランク上がり、パリジェンヌのように自然体なのにおしゃれでいられる。そんな洗練されたデザインが大人気の秘密ではないでしょうか。
目立つ!斬新なロゴデザイン
PATOUというブランド名にまだあまりピンとこない方でも、ロゴに見覚えがあるという方はいるのではないでしょうか?「O」だけフォントのバランスが違ってちょっと個性的な、シンプルなのに一度見ると忘れられないロゴはギョーム・アンリが試行錯誤のうえ生み出したもの。
一見主張が強いように感じるロゴTシャツやスウェットも、PATOUのものは上品に感じられるので普段のワードローブに取り入れやすいですよ。
ちょっぴり「攻め」モードな小物
PATOUの小物類は、少し辛口なデザインが特徴的です。
被るだけで今風になれるバケットハットや、モードなデザインのバッグはガーリーなPATOUの服に合わせるとスパイスが効いて、よりドラマティックな印象となります。
甘い印象の服はちょっと苦手、モード系が好み!という方は小物でバランスを取ってみてはいかがでしょうか?
サステナブルな取り組みも
PATOUは「持続可能でフェアな価値ある発展に貢献していく」として「The Patou Way」という独自の取り組みを行なっています。
PATOUのプレタポルテコレクションでは3分の1以上のアイテムがオーガニックコットンやリサイクルウールなど環境に配慮した材料を使用して作られているとのことです。また、ファーやレザーを使用しないなどアニマルフレンドリーな一面もあります。
さらにコレクション全体のうち10%は「エッセンス(定番)ライン」としてシーズンを超えても維持することで廃棄の減少にも成功しています。
また、ショッピングバッグやギフトラッピングなどもリサイクル可能な材料を使用しているそう。
こだわりの服を着ることで地球環境にも貢献できるため、SDGsに関心の高い女性からも評価されているようです。表参道ヒルズにてオープンしたフラッグシップショップでは店舗に設置された家具やフィッティングルームなども環境に優しい材料で作られ、ブランドとしての意識の高さも感じられました。
PATOUはどこで買える?販売店や購入方法を紹介!
そんな人気のPATOUですが、公式サイトのオンライン、三越伊勢丹オンラインなどでお求めいただけます。
オンラインで購入
PATOUの公式オンラインです
https://intl.patou.com/ja/collections/
こちらはフランスからの商品発送となるようです。
三越伊勢丹オンライン
https://www.mistore.jp/shopping
日本限定や公式オンラインのみの商品もあるようです。
できれば実物を見て試着をして買いたい!という方も多いはず。実際に手に取ってお求めいただける店舗はどこにあるのでしょうか
日本国内店舗
日本でPATOUを取り扱っている店舗をご紹介いたします。
【直営店舗】
GINZA SIX
104-0061 東京都中央区銀座銀座6-10-1
表参道ヒルズ
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目12-10
【取扱店舗】
渋谷西武
〒150-8330 東京都渋谷区宇田川町21-1
Drawer
〒107-0062 東京都港区南青山5丁目12−4 1F
United Arrows
〒106-0032 東京都港区六本木6丁目10−3
ヒルズ ウェストウォーク 2F-3F
Iena
〒160-0023 東京都新宿区西新宿1-1-5
ルミネ新宿13F
Estnation
〒104-0061 東京都中央区銀座2-3-6
Baycrews
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷区1丁目23-21
Martinique Marunouchi
〒100-0005 千代田区丸の内丸の内2-2-3
仲通ビル1F
The Secretcloset
〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-4
東京ミッドタウン ギャラリア2F
Biotop
〒108-0071 東京都港区白金台4丁目6-44
日本橋高島屋
〒103-8265 東京都中央区日本橋2丁目4-1
Verger
〒464-0819 愛知県名古屋市千種区四ツ屋取2-5
Mona Macho
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄5丁目28-19
Phare
〒519-0503 三重県小畑町元町408
Mou
〒930-0066 富山県仙石町5 丁目1−4 1F
コーポ高山
Iza
〒550-0013 大阪府大阪市西区新町西区1丁目3-19
Designworks
〒542-8501 大阪市中央区心斎橋筋1丁目7-1
阪急梅田店
〒530-8350 大阪府大阪市北区角田町8-7
阪急百貨店梅田店 3F “D-エディット”
Mattotti
〒650-0003 神戸市中央区山本通1丁目7-11
Women’s Gallery
〒730-0037 広島県中町1−21
シゲトウビル1F
Catwalk
〒802-0007
福岡県北九州市小倉北区船場町3−7
御影テラス1F
※PATOUの直営店はGINZA SIX店・表参道ヒルズ店のみです。それ以外はセレクトショップでの取り扱いとなりますので、各ショップのオンライン、店舗にお電話やメールでお問い合わせすることをおすすめいたします。
まとめ
歴史あるメゾンが気鋭のアーティスティック・ディレクター「ギョーム・アンリ」就任により脚光を浴びているPATOU。こだわりのものづくりはもちろん、シンプルでありながらモードという絶妙なバランス感覚、SDGsに対する姿勢などその魅力は時代背景にマッチしています。LVMHグループ傘下になるということはこれからのブレイクは約束されたようなもの。早めにチェックしたいところです。
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