買えない!予約販売でも瞬時に完売 受注販売は衣料ロスを減らす?

収穫時期の短いフルーツや製造量が限られている人気のスイーツで「予約販売」という売り方を見かけることはありますが、

最近アパレル業界でも「予約販売」の商品を見かけるようになりました。

お値段のかさばるコートなどでは「受注会」もしくは「予約注文」は珍しいことではありません。

それではなく、一般的なブラウスやワンピース、お値段もリーズナブルなもので。

予約すらできない 人気メーカー

〇月〇日より「予約受付開始」と記載があって、お渡しはシーズンが変わってからの4か月先とか。

4か月先なのにも拘わらず「売り切れ」の表示。  ってことは初回販売予定数が終了しましたってこと。

書籍でいうなら初版完売。 まだ販売は先だし、事前にクレジットカードで支払いも済ませるわけだからもっと生産数を増やしたらいいのでは?

にもかかわらず、次回の予約を受け付けます。とは書いてない。

もしかしたら初回の予約販売だけで終了していてもう購入することができないのかもしれない。

「入荷の案内を受け取る」のボタンもありますが、アンケート機能程度かもしれません。

次に買えるとは限らず、キャンセル待ちに薄い望みをつなぐしかない場合もありで

どうしても欲しいときには転売ヤーさんが購入したものをフリマサイトでプレミア価格で購入するか

リセールショップをこまめにチェックすることになってしまいます。

ネットでの予約分も争奪戦となっている状況ですから実際にサンプル商品を見て予約することができる受注会に行くことも困難で

顧客のみ。や競争率の高い抽選となっているようなHOTなブランドが生まれてきています。

とても高額な商品というわけではなく、手に届くお値段で知る人ぞ知る。インフルエンサーがいいと紹介していた。
ひそやかに伝播されていく。買いたいけれど買えない。
そんな付加価値もついてますます買いづらい状況を作り出しています。

買えるチャンスがあったら 「とりあえず買っておこう♪」となりますよね。

実際の販売店舗を持たない、販売代理店にも頼らない、オンラインサイトで直接販売するスタイル。

SNSやネット広告でメーカーが直接消費者とつながることができる現代の販売方法です。

 

yori/shirocon

デザインの“甘さ”加減がちょうどいいyori(ヨリ)

子育て・仕事を楽しむデザイナー2人が作るブランドは
30代~40代の同世代の女性たちの「着たい」にジャストフィット

そして、上質な素材とディテールにこだわり作られる新しいライン
2021年春よりスタートしたshirocon(シロコン)

大人が“かわいい”を上手に楽しめるアイテムが豊富です

yoriは買いたくてもなかなか買えない

WEBサイト yori/shirocon

 

 

LOHON

2020年にスタートしたばかりですがインスタグラムではクールでスタイリッシュなデザインが人気です。

ブランドが発信するコンセプトは 服を愛すること、価値観を共有できる同志に届けるようなメッセージです。

大量生産することをやめ、”欲しいと思ってくれる方に届けられる分だけ作る”生産スタイルを選びました。

削ぎ落した分、労力もコストも大切なアイテムにかけることができるように構築し、変化するライフスタイルに合わせてデザインをアップデートしながらも、

10年後も、ワードローブのスタメンでいられるような【捨てられない服】を作りたいと考えています。

私たちにしかできない新しい時代の”アクセシブルラグジュアリー(手の届くラグジュアリー)”を目指します。

新しいブランドローヘン

WEBサイト LOHON

 

foufou

「健康的な消費のために」とデザイナーのマールさん。インスタグラムやNoteでも骨太な洋服への情熱を語っています。

受注会とは呼ばずに「試着会」 真面目にお客様へいいと思うものを届けるシンプルきれいなブランド。インスタグラムのフォロワー数7万人を超える。

フーフーは静かに人気のブランド

WEBサイト foufou

<2022年8月10日 追記>
販売店舗を持たないブランドと記載しましたが、foufouは 東京都目黒区祐天寺 に店舗を作ることになりました。
予約販売ではなく在庫を置いて即時お持ち帰りすることが可能になるようです。

 

ロスをゼロにすることはこの時代に大切なこと

月に1度ワインをテーマに集まる食事会に参加している。洋食だけでなく和食のお店の場合もありますが、使わせていただいているお店は大きくない個性的なお店で「要予約」。いつも満席の状態で、予約の段階でコースも決め、材料の仕入れを人数分で済ませてあるので、当日に参加者が減ることはキャンセル料をお支払いして可能ですが、増えることは叶わない。
予定通りに作ってもらって食べる。 使うものだけを仕入れ無駄がない。食事をする私たちも新鮮なもの、なおかつコストパフォーマンス最大値をいただくことができているのでお互いにとって WIN WIN です。フレンチやイタリアンのお店に限らず、お寿司屋さんでもお品書きや「おこのみ」か消えて「おまかせ」一択のみ。となっているお店も増えてきました。

 

おまかせ一択のお寿司屋さん 新潟 兄弟寿司

食品ロスより深刻な衣料ロス

以前にはバーバリーの過剰生産の商品廃棄処分が問題になったことがありました。そんなことはこれまでにもどこのメーカーも行ってきたことで、ある程度の売れ残りはやむを得ないものと考えられているアパレル業界です。

いったいどれくらいが売れ残っているのか?
やや古くなりますが、2018年の調査によると日本国内で販売予定で供給され衣類の約半分が売れ残っているという衝撃の数字です。

参考資料 (株)小島ファッションマーケティング
http://www.fcn.co.jp/thesis/wwd191213/

国内での生産量が2%しかない日本。

他国で作って半分が売れ残っている。おかしすぎるでしょ。

  → コラム 「原産国表示は気にしてる?」 より

そんなにも売れていないのにどうして作るのか。

一般人の私には本末転倒のように思えるのですが、低価格ブランドは製造コストを下げるために大量のロットで発注せざるおえない状況であると。

大量に作るから安く作れる。売れ残りがあっても採算が取れるってことは どれだけ安く作られてるの?ってこと。

安く作るために原材料は無駄になっている。

倉庫に大量の在庫を抱え、再販するための手間もかけていられない。保管費用もかかる。いちばんコストがかからないのが廃棄処分

店舗を全国で展開する大きなブランドでは店内の景観や商品構成を考えると、売りやすいアイテムだけ、売れるものだけしか作らないというわけにはいかず、

威信や自負をかけてトータルで提案できて、「来店したら目的のものがある」嗜好の違うお客様の多様なニーズに応えられてこそとも考えられて、需要にまさる大量の商品が必要となるのです。

それによりアパレル業界には食品ロスよりも根深い「衣料ロス」が存在しています。

余った服はどのようにして処理されていくのか

店舗でのクリアランスセールなどでは到底在庫を処理しきれていない。

アウトレット、ECサイトでのセール、従業員や株主向けファミリーセール。

ここまで来てしまうと当初の販売時から時間も1年は経過しています。流行の流れの早いファッション業界では陳腐化しています。販売価格も当初上代(販売価格)の20%程度になっていることも珍しくありません。

RENAME

廃棄処分に否定的な考えからブランドの価値を損ねないように再販するためにブランドタグ、品質表示・家庭用洗濯タグを外して別の商品を装うために新たなタグに付け替えて販売する方法がとられている。売れない商品にコストをかけて販売することも量が多くなると厳しい選択となっている。

アパレル加工工場でブランドタグや洗濯表示タグの付け替え加工を行い、
ブランド名表示を変更して再販します。元のブランド名を表示しないため、ブランドの権威を毀損せず再販が実現します。

ブランドネームに頼らない売り方
WEBサイト RENAME
https://c-fine.jp/rename/

メーカー出資の専売アウトレットサイト

どこかでみかけたような・・・商品です。
WEBサイト上ではブランドの名前は一切出していませんが、某有名メーカーのアウトレットサイトです。趣旨からしたらブランド名が一目でわかるような商品は除外されるはずですがカットソーのページにはブランド名がわかってしまう商品も見受けられます。

よりクオリティの高い服をより多くの女性たちへ。
丁寧に品質・流通管理をし”本当に欲しい人のところへ最後まで責任を持って届けたい”
そんな思いから生まれたのが 『ディフュジオーネ・テッシレ』
イタリア高級婦人服のアウトレットショップです。

WEBサイト diffusionetessile
https://www.diffusionetessile.co.jp/

それでも残ってしまった商品は闇へ (笑)

発展途上国への援助物資に。
装飾のついた非日常的なドレスは援助物資の目的としてふさわしくないものもあるでしょう。
消費者感情によろしくないために公表はされていませんが現実には廃棄処分されています。

アパレル業界も「要予約」

大きすぎる「衣料ロス」の問題をかかえる現状のアパレル業界にも飲食店の「要予約」をあてはめて考えたらいいことのように思います。

売れないかもしれない。実際売れなくてセールになった。次のシーズンまで倉庫での保管。これらのロスを少なくするために「要予約」で欲しい人だけの分だけを作って販売する。

売れないことでの損失分が少なく、もしくはゼロになればメーカーも収益が良くなるし、ひいては予約で買った私たちのお値段にも反映されてくるかもしれないはずです。

・・・素人の考え。製造業のしくみを理解していない。と一蹴されそうです。

ロス は目に見える売れ残った衣類ばかりではないのです。小ロットで作ることの時間と手間のロス。

 

 

SPAブランドとのすみ分け

ロスがないことはいいことだ!といってすべてのレストランが予約制になったらとてつもなく不便なことです。
急にお友達と食事をしたいときに提供してくれるレストランはお願いだから存在して欲しい。メニューは定番の5種類でもいいから。
でも通りを挟んだ先にメニューが30種類で安くて雰囲気もいいお店があったら絶対そちらに行くよね。

製造から(工場を別会社、子会社、協力会社として)販売までを管理するSPA (speciality store retailer of private label apparel) といわれる大手の製造小売業はいつ行ってもお客様の要望を満たしてくれるという存在であって、服を4か月前から予約するなんて考えられない!という方には絶対必要です。インナーや着回しのきくアイテムはそうあって欲しいです。

個性的なブランドや製品にこだわりを持ったブランドは「予約販売」というスタイルを積極的に採用して、それがスタンダードになっていったら衣料ロスの解消につながるでしょうか。

大手外食店と予約が必要なレストラン 

大手SPAブランドとデザイナースブランド

役割を考えながら私たちも使い分けること

作られたお洋服が使われずに廃棄処分されるようなことを少しずつでも防げるようになるといいなと思います。

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