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原産国表示は気にしてる? 食品の原料原産地表示とアパレル業界のMADE IN JAPAN

原産国の表示 確認する?しない?

何かを購入するとき原産地を確認していますか?
私は食品に関してはチェックする場合が多いですが口に入れないものの場合はチェックしないことのほうが多いかもしれません。チェックをしても、それで購入することをやめることにはならないと思います。

熊本県産「アサリ」

アクアパッツァ、クラムチャウダー・・・先週もパエリアに入れるために買いました
今回は「三重県産」の表示がありました。

あさり

ひと晩塩水に片栗粉を入れて塩抜きします

以前から疑惑視されていて2022年明らかになったアサリの産地偽装問題です。

過去にスーパーで買っていた「熊本県産」が実は「中国産」だったことが発覚しました。

調査の結果、熊本県産と表示し販売されていた97%が中国産のものと報道されていましたので
間違いなく私が買っていたものは中国から麻袋に入って熊本の干潟に数日漬けられたアサリです。

日本だから「安心」と勝手に思ったわけですが、食肉、ウナギ、ギョーザ、チキン・・・過去に起こった問題から
透明でクリーンになっているはずの日本で いまだにこんなことがあるのね。と驚きと ひどい!!が正直な感想です。

食料の約6割を輸入に頼っている日本では生鮮食品、食肉、加工品も含めて原産地に外国の国名を目にすることも多いはずです。

原料原産地表示制度が2022年4月より義務化され外食や店頭で販売されるデリカテッセンを除いては
国内で製造された食品であっても海外からの材料で作られている場合は材料の原産国を表示しなければいけなくなりました。

お醤油の原材料原産国表示 大豆はアメリカ産です

お醤油の原材料表記 アメリカ産の大豆を使っています

国内の工場で作られたものでも材料を海外から輸入しているものがどれだけ多いことか可視化され日本の食物自給率を実感できるようになるかもしれません。

しかし 原材料としてではなく加工済みの状態で輸入したものは原材料の産地にかかわらず、輸入された国だけを表示すればいいということになっています。

イタリアのトマト缶

Made in Italy と記載されているイタリアから輸入されたトマト缶。
日本に輸入されている安価なトマト缶は中国から輸入した濃縮トマトピューレやトマトをイタリア国内で缶に詰められています。

中身は中国産 でも Made in Italy です。

トマト缶は手軽に煮込み料理で使える頼もしい素材なのに・・・

トマト缶は手軽に煮込み料理で使える頼もしい素材です

原材料のトマトはイタリアに輸入した全てを缶詰にしてイタリア国外に出すことで関税がかからない。
輸送コストをかけても中国で生産されたトマトをイタリア製トマト缶にする付加価値は十分採算に見合いそうですが、この表示も日本において輸入品ですので不適格ではありません。

アサリのことでいえば 食品表示法に定められている2か所の国で育った水産物は1日でも長く育成された国を原産国とするというルールを悪用して書類を改ざんしたもので、完全に偽装なのですが出生地や親種の産地に一切かかわりがなくなってしまうことは

合理的に表示するためのルールとして理解できるとしても「えっ?そうなの?」となんだかモヤモヤするところです。

食品以外は気にしてる?

口に入れない日用品や衣料品はいかがでしょう?
原産国をいちいち確認していますか?

あまり気にしない。

というかたが食品に比べると増えてくるのではないかと思います。

そもそも消費者庁では家庭用品(電化製品はのぞく)、繊維品については原産国の表示義務を課していないようです。

それぞれの製品業界団体で表記を推進している場合が多く、原産国表記をしているのが実態です。

繊維製品の原産国表記はなくていい

繊維製品の表示項目は細かく決められていて 
素材の構成表記に関しても綿ならば漢字で「綿」、カタカナで「コットン」、英字で「COTTON」と表記してもよいが
麻の英字表記「RAMIE(ラミー)」や「HENP(ヘンプ)」は認められていないなど繊維の名称や繊維の組成、撥水性、各素材の割合を示すパーセンテージの
「以上」や「未満」の表示にまで細かい定めがあります。

洗濯等取扱方法の表示に関しても同様に細かい表記ルールがありますが、繊維製品の原産国に関しては表記の義務はありません。

原産国は消費者が選んだり、使ったりする点においてはさほど重要ではないと考えられているからでしょうか。

ですが消費者の利益保護するためにある景品表示法では消費者に誤解を与えるような表示をしてはいけないことになっています。

原産国の表記は義務ではないけれど 国内で製造された製品の品質表示タグにフランスの国旗を描いたり、
フランス語で商品の説明を書いたりするのは消費者に「フランス製?」と誤解させてしまうのでNGとなっています。

海外ブランドのライセンス品を日本で作った場合は
海外で作られたものと誤解を与えないように 「日本製」や「海外ブランドのデザインをもとに国内で製造しました」
などと記載しなければいけないことになっています。

フランスのブランド LEONARD PARIS を国内でライセンス生産している三共生興ファッションサービス株式会社でも
ライセンス品の表示はブランド名からPARISを取って LEONARD とし、製品には LEONARDFASHION もしくは LEONARDSPORTS と
ブランドタグを付けています。国内で製造されていますので品質表示タグには MADE IN JAPAN と表記しています。

MADE IN JAPAN どこから日本製?

表示の法令義務がない!

現在、日本製と表示できるのはニット生地から製造した衣料品は編立または縫製
織物生地から製造した衣料品は縫製を行った場所をそれぞれ原産国としています。

そもそも原産国の表示義務がないわけですので、どの製造工程からを日本製とするかを定める法令はありません。
上記の定義はファッション、アパレルの業界団体で社団法人日本アパレル産業協会 で定めた任意の規格になります。

社団法人日本アパレル産業協会 による
原産国表示マニュアル

海外で作られた製品に刺繍だけ施すことや 
パーツを組み合わせるだけの工程を国内工場で行っても国内で製造したと認められていません。

繊維製品が糸から形になるまではたくさんの工程があり、分業されてますが
ざっくりと表現すると最終の縫製工程を国内で行った場合に MADE IN JAPAN と表記することが可能になるのです。

安価な生地を東南アジアから輸入して日本で縫製したら 日本製 となり
高価なイタリア製の生地を使って中国の縫製工場でつくられたものは MADE IN CHINA となります。

決して日本製がよくて東南アジア製の品質が劣ると思っているわけではなく
むしろ表示のされかたに騙されてはいけない。

表示のされ方を理解することで誤解を防げるのではないかと思うのです。

MADE IN JAPAN と 純国産品

縫製を行うと日本製になるということでした。

最初に書きました2022年4月から義務化された食品の原料原産地表示制度に準ずると日本製の衣料品は

例えば日本製と書かれたシルク・コットンのブラウスも

名 称 :ブラウス
原材料 :コットン(インド)シルク(中国)シェル製ボタン(エビを扱う共通の設備で製造しています)
コットン(インドネシア)シルク(中国)で紡績、ベトナムで染色、織布された生地を用いて国内で縫製いたしました。
原産国  MADE IN JAPAN

となってくるでしょうか。

日本の繊維業界の復活を図るべく日本製にこだわり「純国産」として世界に発信する

J∞QUALITYのプロジェクトが2015年から行われています。

「J∞QUALITY」は、日本(Japan)が誇る、品質(QUALITY)を限りなく(∞)追求して、
世界に向けて発信していくことを使命に掲げ、日本のアパレル需要の創造と、繊維・縫製産地の活性化を目指しています。
従来のMADE IN JAPANを超え、「織布・編立」「染色整理加工」「縫製」「企画・販売」、そのすべてを日本国内で行った商品のみ「J∞QUALITY認証商品」の統一ブランドとして認証されます。これは、モノづくりにおける品質を限りなく追求した日本製であること、各工程の背景が見えること、安心して購入できる安全な商品であることを意味します。
WEBサイト: J∞QUALITY

縫製だけの日本製を ここでは
「織布・編立」「染色整理加工」 から「縫製」「企画・販売」を国内で行うことを定義して「純国産」としています。

しかしながらそれでも
それより遡る原材料の生産であるコットンやリネンを栽培、採取、糸にする紡績は国外で行ってもいいと お見逃しいただいています。

国内で流通する衣料品の20%程度が縫製を行う日本製で、ここでいうところの純国産品は全体の3%程度にすぎないということです。

(ここでの定義が純国産の認識でいいかどうかは別ですが)

食料の自給率が40%弱、衣料品の3%という数字はほぼ目に見えている服は「どこかの国のだれかが作ったもの」

異常事態かもしれません。

日本製がいいという信仰ではなくコロナ禍を経験して食品のみならず海外に頼るサプライチェーンを見直す動きに対して、消費者の意識も変化していかなければいけないように思います。

原材料から国産は無理ゲー

   コットンのできるまでをかいた
    ブログ:糸を紡ぐ-綿(コットン)が原料から糸になるまで-

    栽培 → 採取 → 紡績 → 織布 → 染色 → 縫製 

これが製品化の工程となりますが、国内で麻や綿の原材料生産は極めて低く、全てが国内製の正真正銘純国産の繊維製品は宮中で使用されるような特殊な衣類や装飾品に限られ一般的な衣料品ではほぼセロになります。

国内で唯一(と書いてありました)紡績から・染色加工・縫製まで一貫して行っている企業があります。
イチボウとよばれる第一紡績

↑ こちらの紡績工場を見学したブログ ほぼ日刊イトイより  
ブログ:紡績工場を見学してきました
ブログ内にコスト高になってしまう紡績から国産にする理由が書いてあります。

国内唯一の紡績 ここが国内の限界です。原材料はオーストラリア、アメリカからになります。

みつけました!パーフェクト日本製

衣料品では探せませんでしたが、今治市に耕作放棄地を活用して綿花の栽培から製品化しタオルとストールを一般に販売している 
しまなみコットンファーム がありました

素材・紡績・製織、全て国内で行った、”Perfect Made in Japan” 

化学薬品・農薬を一切使用しないオーガニック農法にて生産し、また枯葉剤なども使用せず、手で一つずつ収穫して作られています。

完全な国産の繊維製品です。

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