愛され続けるシルクの魅力

 

ブラウスやドレス、着物などさまざまなファッションアイテムに使用されるシルク(絹)。
軽くてなめらかな肌触りで、真珠のように美しい光沢には気品があり
世界中の女性たちにも愛されてきました。
例えばシルク発祥の地である中国の楊貴妃も、シルクに魅了された1人。
彼女のための絹織職人はなんと700人もいたそうですよ。

シルクの魅力は高級感や気心地の良さだけではありません。
今回はシルクが愛される理由を紐解いていきます。

 

シルクの歴史

 

繭玉

シルクは、蛾の幼虫のカイコの繭から作った天然繊維です。
なぜ、繭から繊維を作ろうと思ったのか?諸説ありますが
有名なお話では、紀元前2460年頃に中国の黄帝の王妃、西陵が
庭で繭を作る虫を見つけて、黄帝にねだり、飼い始めます。
ある日、西陵がお湯の中に繭を落としてしまい
それを箸で拾い上げようとしたときに箸に繭糸が絡みついてきたことで
絹糸を発見したと言われています。
そのためシルク(silk)の語源は西陵氏(Xi Ling-shi)から来ているとか。
そしてこれを織物にして、西方諸国に輸出するために
西安(長安)とトルコ(アンタキア)を結ぶ7,000kmの道「シルクロード」が作られ、
絹織物が西方諸国に輸出されていったそうです。

シルクロード

お湯に繭を落とすなんてちょっとしたきっかけから
織物がつくられ、交易に繋がるなんて世の中なにが起こるかわかりませんよね。
私も、小さな発見を見落とさないようにしたいと思います。

 

シルクの特性

 

美しい光沢と気持ちの良い肌触り

シルクは繊維の断面が三角形になっていて光が当たるとプリズムのように光を反射します。
そのため他の繊維では見られない、独特な美しい光沢感が生まれます。
また、人間のお肌に近いタンパク質(18種類のアミノ酸)で構成されているため
お肌との相性がとてもよく、なめらかでしっとりとした肌触りは
素肌に優しく、肌着やパジャマなど肌に触れる素材としても人気があり
皮膚の弱い方や乾燥肌の方、アトピー性皮膚炎の方にも多く愛されています。

 

日焼け防止効果がある

カイコは成虫になるときに繭を作り、その中で過ごします。
身を守る殻の役割を持っていて、外敵や雨風から身を守るだけでなく
お肌の大敵と言われているUV-B波(UVB)、UV-C波(UVC)を吸収し
紫外線からも守ってくれるといった機能まで持っています。
紫外線を浴びるとうまく成長できないそう。
麻100%素材の紫外線カット率が約56%、
コットン100%素材の紫外線カット率が約68%なのに比べて
シルク100%の紫外線カット率は約84%と、極めて高い数値が報告されています。

 

1年中使える

シルク繊維は吸湿性、保湿性、放湿性に優れていて
コットンの約1.5倍の吸湿性と放湿性があると言われています。
シルクは天然繊維の中でも最も細く、その細さはなんと髪の毛の約30分の1ほど。
そのため繊維と繊維の間にたくさん空気を含むことができ、
夏は涼しく冬は暖かいといった「着るエアコン」のような素材になっています。

 

取扱いに注意すれば、末長く使える

シルクは繊維が細く、薄い生地が多いことから劣化しやすいように思われがちですが
引っ張ることに対する強さはウールやコットンよりも強いと言われています。
デリケートな面もありますが、下記の点を注意すれば長く愛用することができますよ。

 

シルク

 

長く使うための注意点

 

日に当てない

紫外線から守ってくれるメリットがある反面、シルク自体が紫外線を吸収するため
黄色く変色しやすいです。これは黄変(おうへん)という現象です。
太陽光に弱く、長時間直射日光を浴びたり、日光干しをすることは
変色の原因になってしまいますので干すときや保管をする際は
必ず日の当たらない通気性の良い場所で行うことをおすすめします。

濡らさない

シルクは水に弱く、濡れてしまった部分の繊維の毛並みが乱れたり、糸が膨張したりして
そこだけ光の反射の仕方が変わって汚れのように見える、という現象が起こります。
直す方法としては「全体を洗う」か、「霧吹きで全体をまんべんなく濡らす」といった方法があります。
全体を濡らすことで生地が均一に見えるようになります。が、
お家で処理することはなかなかリスキーですので
信頼のできるクリーニング屋さんにお任せしたほうがいいでしょう。

擦らない

とてもデリケートな素材のため、摩擦に弱く毛羽立ちやすいです。
シルク素材のお洋服をきて、その生地の上からかゆい部分を掻いてしまうと
生地の引きつれや毛玉の原因になってしまうので
お取扱いには注意が必要ですね。

汚れをしっかり落としてから保管する

シルクは天然繊維のため虫に好まれてしまいます。
害虫に1番食べられやすい繊維はウールと言われていて
次点がシルクです。ちなみに3位はコットンとなっております。
大切なお洋服を被害から防ぐため、着用後にはきちんとケアしてから収納することが大切です。
あとは防虫剤を上手に使って害虫から守りましょう。

 

シルクの魅力を伝えるブランド

 

image1

出典:FOXEY instagram

知性と気品の感じられる美しいデザイン、シルエットや上質な素材。
FOXEYのお洋服には、シルクがよく使われています。
シルク100%のブラウスやワンピース、
コットン・ウール・カシミヤ等とシルクをブレンドした
カーディガンやスカートなど
気持ちの良い気心地はもちろんのこと
美しい光沢感のある上質なお洋服を楽しむことができますね。

 

image2

出典:FOXEY instagram

 
FOXEY

DAISY LIN for FOXEY

 

いかがでしたか?
扱い方に気を付ければ良いことづくめの素材ですよね。
「なんとなく好き」だった素材も、歴史や特徴を詳しく知っていくことで
さらに愛着が湧いて魅力的に感じられますよね。
デリケートな部分も上手に付き合って、おしゃれを楽しみましょう。

シルク2

 

関連記事

PAGE TOP