ブランドのダウンはやっぱり暖かい?ダウンの良し悪しの基準

こんにちは!
バイヤーの羽下(haga)です。

さて今回は、ダウンの良し悪しについてです。
 

良質なダウンの基準

寒い季節のマストアイテム、冬アウターの定番であるダウン。

モンクレール、カナダグース、タトラス…。高いものではウン十万円もするダウンジャケット。

一方で、ファストファッションでも目にする1万前後のダウンジャケット。

同じダウンジャケット

“なんでここまで価格に差があるのか?”

そこには、使用している素材の違い、フィルパワーの違い、ブランドネームの3つの基準があります。

今回は、素材の違い、フィルパワーの違いにフォーカスを当ててお話ししたいと思います。
 

素材の違い

ダウンで使用される素材の種類として、3種類あります。
 
人工中綿
主にポリエステルなどの化学繊維やキュプラなどの植物からできる再生繊維でできている、人工的に作成した綿(わた)。

ダウン
鳥の肌の表面を覆っているボール状のふわふわした毛(羽毛)のこと。鳥一羽から取れる採取量が稀少な部位。
中綿と比較すると約3倍の保温性があり、圧倒的に軽い素材。

フェザー
鳥の翼部分等の、軸のついた羽根のこと。通気性と弾力性を持ち、型崩れを防ぐことが可能。

 

ダウンとフェザー、どちらも同じ鳥から取れる羽毛ではありますが、ダウンのほうが軽く、空気を内包して暖かいという特性があります。
 

 
それではインポートブランドなどの高価格のダウンジャケットが保温性の劣るフェザーを使わず、

ダウンしか使っていないかというとそうではありません。

ほぼすべてのダウンジャケットにフェザーは使われています。

フェザーはダウンジャケットには絶対に必要なものなのです。

何故かというと、素材をダウンのみにすると型崩れをしてしまうから。

そして、ダウンジャケットの混合率として最適なのは、ダウン90%:フェザー10%だとされています。

フェザーの配合率がこれ以下だと、形状保持力を確保するのが難しくなり、着用に耐えられないからです。

(ちなみにモンクレール、タトラスのダウンジャケットはほぼ全てのモデルがこの配合率になっています。)

上述の通り、一般的にはフェザーの混合率は低ければ低いほど品質が良いとされ、


ダウンの割合が高い方が暖かく、値段も高くなる傾向にあります。

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鳥の種類、生育地の違い

よく知られているのがグース(がちょう)とダック(あひる)

「アヒル」から採れる「ダックダウン」よりも「ガチョウ」から採れる「グースダウン」のほうが高品質です。

更にグースのなかでも白色の毛のホワイトグース、灰色の毛のシルバーグースがあります。
毛色が違うだけで品質にはそこまで差はありませんが生育期間が長い「マザーグース」は越冬し大きく生育しているのでダウンの大きさが大きくなり、より保温性が高くなり、生育場所もより寒さの厳しい地域ポーランド、ハンガリー、カナダで育てられたものが品質がよいとされています。

よいダウンウエアは鳥の種類、生息地も明記されている場合が多いです。

アイスランドを中心とした北極圏に生息する野生の「カモ」からとれるアイダーダウンは採取方法から別格です。
極寒の地で寒さから身を守るために巣を作る際、自らの羽毛を取って巣をつくります。
ひなが成長して巣立ちを終えた巣から手作業でダウンを採取して使います。

 

フィルパワーとは?

商品説明の札などに「○○○フィルパワー」など、記載されているのをみたことはないですか?

フィルパワーとはダウンジャケットの性能を表すものであり、羽毛の「嵩(かさ)」の高さを現す単位になります。

空気を含む層が多いと保温力が高まります。

その数値次第で、どれぐらい高品質なダウンジャケットなのかを判別することが出来るとも言われています。

数値の計測方法は1オンス(約28グラム)あたりの羽毛の体積を計測します。

単位が大きいほど、同じ量の羽毛で体積が大きいことになり(空気を多く含む)ダウンの質が良いと判断されます。

一般的には、600~700フィルパワーが良質ダウンウェア、

700フィルパワー以上が登山などで用いられる高性能ダウンウェアといわれています。

モンクレール、カナダグース、タトラスは〜700程 モデルにとっては800クラスのものもあり。

ノースフェイスやパタゴニア、ナンガなどは700以上のものが殆どです。

またフィルパワーの数値が高いと、中綿に詰め込むダウンの量が少量で済むため、

「軽くて暖かく、かさばらない」などのメリットが挙げられます。
 

 

このフィルパワーは必ず明記しなければならないという義務はなく、基本的にするかしないかは自由となっています。

タグなどに”〇〇〇FP”と記載がある場合には、保温性能の判断基準にしてみるといいかもしれません。
 
ではこの2つを基準にしていれば、必ず間違いない判断が出来るかというとそうではありません。

ブランドネームや生産背景によって、+@の価値を価格に上乗せしている部分もあります。

また最新のダウンジャケット事情では、シームレス、ブロックテック、ゴアテックス、ウインドストッパーなど、各ブランドが最新の技術を盛り込んでいます。

ですので、本当のダウンジャケットの性能は、中綿の混合率、フィルパワーの数値だけで判断しきれないのも事実です。

「自分がどこまでの品質や性能を求めるのか、どんな用途で着用するのかを考慮すること」。

結果的に、各々の基準を明確にしておくことが大切です。

これからダウンジャケットを選ばれる方はご参考にしてみてください。
ありがちな文の結びになってしまいました。(笑)
 
では今日はこれにて。
 

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